スイングトレード流!ROA・ROEが「マイナスじゃなければOK」な理由

指標の解説・基準

スイングトレードをやっていると、チャートの形やテクニカルの絶好のタイミングを優先したくて、ファンダメンタルズの厳しすぎるスクリーニングに頭を悩ませることがよくありますよね。

「この銘柄、移動平均線も綺麗だし、サポートラインでの反発も完璧なのに、ファンダメンタルズの条件を厳しくしすぎると検索から外れてしまう……」

そんなジレンマを抱えているトレーダーの方も多いのではないでしょうか。ゆくばりもまさにそこで立ち止まった一人です。結論から言うと、スイングトレーダーであるゆくばりは、ROA(総資産利益率)もROE(自己資本利益率)も「マイナスでなければ、とりあえずOK」という、かなり緩めのフィルターを設定しています。

今回は、なぜそんなにハードルを下げているのか、そしてそれがトレードのメンタルにどう影響しているのかについて、リアルな本音をシェアしていきたいと思います。

テクニカル派が陥る「ファンダメンタルズのジレンマ」

投資の本やネットの記事を見ていると、「ROEは最低でも10%以上ある企業を選びましょう」「ROAが高い筋肉質な会社だけを狙え」といった言葉をよく見かけます。

確かに、長期的な投資やバリュー投資の世界では、それらは極めて正論であり、健全な企業の証です。

しかし、私たちのような数週間から数ヶ月単位の値幅を狙うスイングトレーダーにとって、その基準をガチガチに適用してしまうと、大きな問題が起きます。

それは、「チャートの形が最高に良くて、絶好の押し目買いのチャンスなのに、スクリーニングの段階で全弾はじかれてしまう」という本末転倒な事態です。

特に、ゆくばりが好んで監視している時価総額の大きな東証プライム銘柄や、銀行株・自動車セクターといった景気敏感株は、その時の地合いや一時的な業績の波によって、数字が一時的に上下することが多々あります。

「今まさに底値圏で反発しようとしているのに、去年の数字が少し低いからという理由で除外してしまうのはもったいない……」そう感じたのが、基準を緩くした最大の理由でした。

ROAとROEをざっくりとおさらいしておく

そもそも、ここで扱うROAとROEがそれぞれどんな指標なのか、おさらいの意味も含めて確認しておきます。難しい専門用語は抜きにして、要するにこういうことです。

  • ROA(総資産利益率): 会社が持っている「すべての資産(借金も含めた全体)」をどれくらい効率よく使って利益を出しているかの通信簿。
  • ROE(自己資本利益率): 会社が持っている「株主から集めたお金(自己資本)」だけでどれだけ効率よく利益を出したかを示す通信簿。

どちらも共通しているのは、計算式の分子に「利益」が入っているという点です。つまり、会社が赤字を出していれば、これらの数字はきれいにマイナスになります。

逆に言えば、どんなに一時的に業績が落ち込んでいようとも、数字が「プラス」でさえあれば、その企業は少なくとも本業や事業全体でしっかりと黒字をキープできているという証拠になります。

ゆくばり流「マイナスじゃなければOK」の理由

だからこそ、ゆくばりはROAやROEに対して、高度な経営分析としてのハードルを設定するのをやめました。求めているのは、たった一つのシンプルな事実だけです。

「今、この会社は赤字を垂れ流しているヤバい状態ではないか?」

これを確認できれば十分なのです。具体的な数値の高さや美しさを競うのではなく、「少なくともマイナスに沈んでいない(=ちゃんと利益を出して生き残っている企業である)」というセーフティネットさえクリアしていれば、あとは目の前のチャートとテクニカル分析を信じて飛び込む。

これが、スイングトレーダーとしてのゆくばりのスタンスです。

厳しすぎるフィルターでせっかくのチャンスを逃すくらいなら、緩めのフィルターで間口を広げ、チャートの形やトレンドの美しさを最優先に取っていくほうが、自分のトレードスタイルには圧倒的に合っていると感じています。

含み損を抱えたときの「心の拠り所」として

この「マイナスでなければOK」という緩めのファンダメンタルズ基準は、実際にトレードを進める中で、もう一つの重要な役割を果たしてくれます。

それは、「含み損を抱えて塩漬けになりかけたときの精神的な支え」です。

相場の世界に身を置いていれば、時には「落ちるナイフ」を掴んでしまったり、予想に反して株価が下がってしまい、三菱電機やSUBARUのように「しっかりとした含み損」を抱えて頭を抱える夜も当然やってきます。

そんなとき、もしその企業のROAやROEがマイナス(つまり赤字垂れ流し状態)だったらどうでしょう。

「このまま会社自体が傾いてしまうかもしれない……」という恐怖で、夜も眠れなくなってしまいますよね。

しかし、スクリーニングの段階で「少なくともROAもROEもプラス(黒字企業)」という最低限のフィルターを通した上で買った銘柄であれば、たとえ一時的に株価が下がって含み損が膨らんでいたとしても、「会社そのものはちゃんと利益を出している健全な状態だから、いつかチャートが戻ってくれば大丈夫だ」という強力なメンタル安定剤になります。

業績がしっかりプラスで支えられているという事実があるだけで、パニックになって損切り貧乏になるのを防ぎ、冷静にナンピンやホールドの判断を下すことができるのです。

完璧を目指さなくていい、自分の軸で戦う

投資の世界には、正解とされる手法や分析が星の数ほどあります。すべてを完璧にこなそうとすると、情報に溺れて身動きが取れなくなってしまうことも少なくありません。

ガチガチのファンダメンタルズ分析は他の優秀なプロや長期投資家に任せておけばいい。

私たちスイングトレーダーは、テクニカルの波に乗りながら、最低限の安全確認として「数字がプラスであること」だけを確かめておく。

それくらいの割り切りとユルさがあったほうが、相場の荒波をしなやかに生き残っていける気がしています。

みなさんは、銘柄を選ぶときにファンダメンタルズとテクニカルのバランスをどのように取っていますでしょうか?

完璧じゃなくても、自分なりの納得感を持って、明日もマイペースに相場と向き合っていきましょう!

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